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iPhone Safariでスクロール時のresizeイベント問題を解決する方法

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スマートフォンのブラウザ、特にiPhoneのSafariでWebページを閲覧する際、スクロール操作によって画面のサイズが変わり、resizeイベントが発火することがあります。これは特に、Webページにリサイズイベントに依存する処理が含まれている場合に問題となることがあります。
本記事では、この挙動を回避する方法について解説します。

resize処理とは

resizeイベントは、ブラウザのウィンドウサイズが変更されたときに発火するイベントです。Webページのレイアウトを動的に変更する際に利用されることが多いです。例えば、画面の幅に応じてコンテンツの表示を切り替えるレスポンシブデザインでは、resizeイベントを利用してブラウザのサイズ変更に対応します。

なぜiPhone Safariで起こるのか

iPhoneのSafariでは、スクロール操作によってアドレスバーが表示・非表示になります。これによって、ブラウザの表示領域が変化し、resizeイベントが発火します。しかし、この挙動はウィンドウのサイズ変更とは異なるため、意図しないresizeイベントの発火が問題となることがあります。

iPhone Safariでスクロール時のresizeイベント問題を解決する縦長ページHTML、CSS、JavaScriptコードの記述

HTMLコード

基本的なHTML構造を定義しており、class=”content”に長いコンテンツを配置することを想定しています。

<div class="content">
    <h1>iPhone Safariで下にスクロールしてみて下さい。<br>スクロールしても画面resizeイベントが発火しないJavaScript処理を記述してます。<br>ブラウザ幅を変更するとalertメッセージが表示されます。</h1>

</div>

CSSコード

.contentに対して高さを設定し、縦長のページを作成しています。これによりスクロールが可能になります。

<style>
html,body {
    text-align: center;
    margin: 0;
    padding: 0;
    height: 100%;
}
h1{
    text-align: center;
    font-size: 14px;
    padding: 40px 0;
    line-height: 1.8em;
    position: fixed;
    width: 100%;
}
.content {
    height: 2000px; /* 長いコンテンツを表現 */
    background-color: #f0f0f0;
}
</style>

JavaScriptコード

resizeイベントのリスナーを設定し、ウィンドウの幅が実際に変わった場合のみ処理を実行するようにしています。これにより、スクロールによるアドレスバーの表示・非表示が原因でのresizeイベント発火を無視します。

<script>
let lastWidth = window.innerWidth;

window.addEventListener('resize', () => {
    if (window.innerWidth === lastWidth) {
        // 幅が変わっていない場合は、resizeイベントを無視
        return;
    }
    lastWidth = window.innerWidth;
    // ここに幅が変わったときの処理を記述
    alert("ブラウザ幅が変更されました。");
});
</script>

 
ブラウザ幅を変更するとalertメッセージを表示させます。

メリット

この方法のメリットは、スクロールによるresizeイベントの誤発火を防ぎ、ウィンドウの幅が実際に変更されたときのみ処理を実行することで、パフォーマンスの低下や予期しない挙動を防ぐことができる点です。

デメリット

この方法のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 追加の処理:
    resizeイベントの発火時にウィンドウの幅をチェックする追加の処理が必要になります。これにより、特に処理が重いページでは、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  • 複雑性の増加:
    ウィンドウの幅が変わったかどうかを判断するロジックを追加することで、コードの複雑性が増します。これにより、保守性が低下する可能性があります。
  • ブラウザの互換性:
    この方法は主にiPhone Safariに特化したものです。他のブラウザやデバイスで同様の問題が発生した場合、異なるアプローチが必要になることがあります。

 
これらのデメリットを踏まえつつ、各サイトの要件やユーザー層に応じて、適切な対策を検討することが重要です。

iPhone Safariスクロール時のresizeイベント発火解決デモページ

上記のコードを実装したデモページは、以下のリンクから確認できます。

iPhone Safariスクロール時のresizeイベント発火解決デモページ

最後に

iPhone Safariにおけるスクロール時のresizeイベントの誤発火は、特にレスポンシブデザインを採用しているWebサイトや、resizeイベントに依存する機能を持つWebアプリケーションで問題となることがあります。この問題を解決することで、ユーザーにとって快適なブラウジング体験を提供し、サイトの信頼性や利用率の向上につながることが期待できます。

 
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