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【GA4超入門】プロパティを「お引越し」!別アカウントへの移動手順と必要性を徹底解説

Google Analytics(GA)を使っていると、「このウェブサイトのデータだけ、別のアカウントに移したいな」と思うことがありますよね。

例えば、「代理店に作ってもらったプロパティを自社アカウントに移したい」とか、「複数の事業のGAを一つにまとめたい」といったケースです。

特にご質問にあったように、「1つのアカウントにあるプロパティAとBのうち、Aだけを新しいアカウントに移動したい」というご要望は、GA4なら簡単に実現できます!

この記事では、GA初心者の方でも迷わないように、まずはGAの基本構造を理解した上で、プロパティを安全に「お引越し」させる具体的な手順を解説します。

Googleアナリティクスの「アカウント」とは?「プロパティ」とは?

GAのデータ管理は、「アカウント」と「プロパティ」という2つの階層で成り立っています。この構造を理解することが、移動作業をスムーズに進めるための第一歩です。

1. 「アカウント」の役割:会社の「フォルダ」

アカウントは、GAの最上位の器(フォルダ)です。通常は「会社名」や「組織名」で作成され、そのアカウントに紐づく全てのウェブサイトやアプリを管理します。

  • 役割: 請求、ユーザー管理(誰がアクセスできるか)、アカウント全体の基本的な設定を統括します。
  • イメージ: 会社全体のデジタル資産をまとめる「大きな箱」。

2. 「プロパティ」の役割:計測器の「入れ物」

プロパティは、実際にウェブサイトやアプリのデータを計測・収集する単位です。

  • 役割: データの収集・計測、レポート作成、GA4特有のイベントやコンバージョン設定を行います。
  • イメージ: ウェブサイトAのデータを集める「小さな計測器の箱」。一つのアカウントの中に複数作成できます。

【今回のケース】
あなたのアカウントは「大きな箱」で、その中にウェブサイトAとBの「小さな計測器の箱(プロパティAとB)」が入っている状態です。今回は、そのうちプロパティAだけを、新しく作った別の「大きな箱(新しいアカウント)」に移します。

「プロパティ」を移動する必要性は?

プロパティを移動する主な理由は、大きく分けて以下の3つです。

  1. 管理の一元化・整理:
    複数の事業部門やクライアントのプロパティを、特定の担当部署のアカウントに集約したい場合。
  2. 所有権の移行:
    外部のベンダーや代理店が作成したプロパティを、自社の正式なアカウントに戻す(所有権を移管する)場合。
  3. アカウントの分割:
    組織変更に伴い、一つのアカウントで管理していた複数のサイトを、それぞれの事業別のアカウントに分けたい場合。

移動によって過去のデータが失われることはないので、安心して組織の体制に合わせて整理しましょう。

「プロパティ」を別の「アカウント」に移動する方法

いよいよ移動の手順です。操作はすべて、移動したいプロパティAが存在する「元のGAアカウント」で行います。

重要な事前確認

作業を始める前に、必ず以下の権限を持っていることを確認してください。

  • 移行元アカウント(プロパティAがある方)の: 管理者 権限と 編集者 権限
  • 移行先アカウント(新しく作った方)の: 管理者 権限と 編集者 権限

これらの権限がないと、移動の操作を行うことができません。

プロパティ移動のステップ

  1. GAにログインし、画面左下の「管理」(歯車アイコン)をクリックします。
  2. 「プロパティ」列で、移動したいプロパティAが選択されていることを確認します。
  3. プロパティ列にある「プロパティの詳細」をクリックします。
  4. 画面右上の「プロパティを移行」ボタンを選択します。
  5. ドロップダウンリストから新しい「移行先のアカウント」を選択します。
  6. 「権限の設定」を選びます。迷ったら「既存のプロパティの権限を維持する」で問題ありません。
  7. 「変更の確認」を読み、チェックボックスにチェックを入れます。
  8. 「移動を開始」をクリックして完了です。

これでプロパティAは元の場所から消え、新しいアカウントの傘下に収まります。移動完了まで数分かかる場合がありますが、トラッキングコード(GAタグ)の貼り直しは不要です!

注意点

  • 「移動」は「コピー」ではない:
    プロパティAは元の場所から削除されます。元の場所にも残したい場合は、この移動機能ではなく、新しいプロパティを作成してタグを貼り直す必要があります(その場合、過去データは引き継がれません)。
  • 連携サービスの一時解除:
    Google Ad Managerと連携している場合、移動前に必ず連携を解除し、移動後に再度リンクを設定し直してください。
  • 統合プロパティの確認:
    GA360などで「統合プロパティ」や「参照元プロパティ」として利用している場合、事前にその連携を解除する必要があります。

まとめ

Google Analyticsのプロパティ移動は、権限さえあれば非常にシンプルで強力な機能です。

プロパティAだけを別の新しいアカウントに移すことで、過去のデータはそのまま引き継がれ、新しいアカウントでスムーズに分析を続けることができます。組織体制や管理方針が変わった際は、この記事の手順を参考に、GAの環境を整理してみてください!

 
※参考にされる場合は自己責任でお願いします。