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【完全解決】Office365「組織の別のアカウントがサインイン済み」エラー対処法|パソコン初心者向け

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はじめに – 「あのエラー」に困っていませんか?

新しいパソコンを買って、さあOfficeを使おう!と思ったら、あるいは、普段使っているパソコンで急にOfficeにサインインできなくなって、こんなメッセージが表示されて困っていませんか?

「組織の別のアカウントがこのデバイスで既にサインインしてます。別のアカウントでもう一度お試し下さい。」

「組織って何?」「別のアカウントって言われても…」と、頭の上に「?」がたくさん浮かんでしまいますよね。特にパソコンの操作にまだ慣れていない方にとっては、このエラーメッセージはとても不安に感じるものだと思います。

でも、安心してください!このエラーは、正しい手順で対処すれば解決できる場合がほとんどです。

この記事では、パソコン初心者の方にも分かりやすく、この「組織の別のアカウントが…」エラーの原因と、具体的な解決方法を、一歩一歩丁寧に解説していきます。図(のイメージ)も交えながら説明するので、専門用語が苦手な方でも大丈夫です。この記事を読み終える頃には、きっとエラーを解決し、快適にOfficeを使えるようになっているはずです。さあ、一緒に問題解決の冒険に出かけましょう!

そもそもOffice 365(Microsoft 365)って何? – パソコンライフの強い味方

エラー解決の話に入る前に、まずは「Office 365」について簡単におさらいしておきましょう。最近では「Microsoft 365」という名前が正式名称になっていますが、Office 365という名前で馴染み深い方も多いと思います。この記事では、分かりやすさを優先して両方の名称を使うことがあります。

Microsoft 365(Office 365)は、一言で言うと、「私たちのパソコン作業をものすごく便利にしてくれる、たくさんのツールやサービスが詰まった宝箱」のようなものです。具体的には、以下のようなソフトが使えます。

  • Word (ワード): レポートやお手紙、案内状など、文章作成の定番ソフト。
  • Excel (エクセル): 家計簿、住所録、データ分析、グラフ作成など、計算や表作成が得意なソフト。
  • PowerPoint (パワーポイント): 発表会や会議で使う、見栄えの良い資料(スライド)を作るソフト。
  • Outlook (アウトルック): メールの送受信やスケジュール管理をするソフト。
  • OneDrive (ワンドライブ): 作成したファイルや大切なデータをインターネット上(クラウド)に保存できるサービス。これにより、どのパソコンからでも同じファイルにアクセスできたり、パソコンが壊れてもデータが守られたりします。
  • 他にも、Teams(チームズ)というコミュニケーションツールなど、たくさんの便利な機能が含まれています。

これらのソフトは、以前はCD-ROMやDVD-ROMで買ってきて、パソコンにインストールする「買い切り型」が主流でした。しかし、Microsoft 365は「サブスクリプション」という仕組みになっています。これは、月額または年額で利用料金を支払うことで、常に最新版のソフトを使えたり、複数のデバイス(パソコン、タブレット、スマートフォンなど)で利用できたり、大容量のOneDriveストレージが使えたりする、とてもお得で便利なサービスです。

例えば、家で作ったレポートの続きを、外出先のノートパソコンで編集したり、スマートフォンで内容を確認したり…なんてことも簡単にできてしまいます。まさに、現代のデジタルライフに欠かせない存在と言えるでしょう。

普段、何気なく使っているかもしれませんが、このMicrosoft 365が使えるかどうかは、日々の作業効率に大きく関わってきます。だからこそ、今回のようなエラーに遭遇すると本当に困ってしまうのですね。

Microsoft 365には、個人向けの「Microsoft 365 Personal」や家族で使える「Microsoft 365 Family」、そして会社や学校で使われる法人・教育機関向けのプランなど、いくつかの種類があります。今回のエラーメッセージに出てくる「組織」という言葉は、特に法人・教育機関向けのプランで使われているアカウントに関連していることが多いです。

「組織の別のアカウントがこのデバイスで既にサインインしてます」とは? – エラーメッセージを翻訳します

さて、本題のエラーメッセージです。

「組織の別のアカウントがこのデバイスで既にサインインしてます。別のアカウントでもう一度お試し下さい。」

このメッセージ、なんだか堅苦しくて分かりにくいですよね。パソコン初心者の方ならずとも、戸惑ってしまうかもしれません。これを、もっと分かりやすい言葉に翻訳してみましょう。

例えるなら、あなたのパソコンが小さな家だと思ってください。その家(パソコン)には、いろいろな部屋(ソフトや設定)があります。Officeソフト(WordやExcelなど)を使おうとするとき、あなたは専用の「鍵」(=Microsoftアカウント)を使って、その部屋に入ろうとします。

このエラーメッセージは、パソコンがあなたにこう言っているようなものです。

「ごめんなさい!この家(パソコン)には、あなたが今使おうとしている鍵(アカウント)とは別の『会社や学校専用の鍵』(組織のアカウント)が、既に使用中として登録されているみたいなんです。だから、あなたが持っている鍵では、今はOfficeの部屋に入れません。もし他の鍵(別のアカウント)をお持ちでしたら、そちらで試してみてくれませんか?」

つまり、あなたのパソコンが、以前使われた、あるいは現在も紐付いている「会社や学校などの組織から提供されたMicrosoftアカウント」の情報を記憶していて、それが原因で、あなたが今使いたいアカウントでのサインインを邪魔してしまっている状態なのです。

このエラーが表示されると、具体的には以下のような困ったことが起きます。

  • WordやExcelなどのOfficeソフトを起動しても、編集や保存ができない(機能制限モードになる)。
  • 新しいファイルを作成できない。
  • OneDriveに保存されているファイルにアクセスできない、または同期ができない。
  • ライセンス認証が求められ続ける。

これでは、せっかくの便利なOfficeソフトが宝の持ち腐れになってしまいますね。でも、大丈夫です。この「別の鍵の情報」をパソコンからキレイに取り除いてあげれば、あなたが持っている正しい鍵で、ちゃんとOfficeの部屋に入れるようになります。

このエラーは、特に以下のような状況で発生しやすいです。

  • 中古のパソコンを購入し、前の所有者のアカウント情報が残っていた場合。
  • 会社や学校から支給されたパソコンで、初期設定時やシステム変更時に別のアカウント情報が登録された場合。
  • 一台のパソコンを複数のユーザーで共有していて、別ユーザーの組織アカウント情報が影響している場合。
  • 過去に一時的に組織アカウントでサインインしたことがあり、その情報が残ってしまった場合。

重要なのは、このエラーメッセージは「あなたのアカウントが悪い」と言っているわけではないということです。パソコン側の設定や残っている古い情報が原因であることがほとんどなので、焦らずに対処していきましょう。

Office 365アカウントの仕組みと出来ること – あなたのデジタルキー

エラー解決のためには、Microsoft 365(Office 365)を利用するための「鍵」となる「Microsoftアカウント」について、もう少し詳しく知っておくことが役立ちます。

Microsoftアカウントは、Microsoftが提供するさまざまなサービス(Outlook.comのメール、OneDrive、Skype、Xboxなど)を利用するための共通IDです。そして、Microsoft 365のサブスクリプションを利用する際にも、このMicrosoftアカウントを使ってサインインし、ライセンス認証を行います。

このMicrosoftアカウントには、大きく分けて2つの種類があります。

  1. 個人用 Microsoftアカウント:
    • 自分で作成するアカウントで、メールアドレス(例: `outlook.com`, `hotmail.com`, `gmail.com`などプロバイダーのメールアドレスも可)とパスワードで管理します。
    • Microsoft 365 PersonalやMicrosoft 365 Familyといった個人向けプランの利用に使います。
  2. 職場または学校アカウント (組織アカウント):
    • 勤務先の会社や通っている学校などの組織から提供されるアカウントです。
    • メールアドレスの形式が、その組織独自のドメイン名(例: `yourname@company.com` や `yourname@school.ac.jp`)になっていることが多いです。
    • Microsoft 365の法人向けプランや教育機関向けプランの利用に使います。
    • 今回のエラーメッセージに出てくる「組織の別のアカウント」とは、主にこの「職場または学校アカウント」のことを指しています。

どちらの種類のアカウントも、Microsoft 365を利用する上で非常に重要です。このアカウントを使ってサインインすることで、以下のようなことができるようになります。

  • Officeアプリのライセンス認証: 購入したMicrosoft 365のサブスクリプションが有効であることを確認し、WordやExcelなどの全機能を使えるようにします。
  • 複数デバイスでの利用: 1つのアカウントで、パソコン、タブレット、スマートフォンなど、複数のデバイスにOfficeをインストールし、サインインして利用できます。(プランによって同時サインイン台数に上限があります。例えば個人向けプランなら通常5台まで)
  • OneDriveとの連携: 作成したファイルをクラウドストレージであるOneDriveに保存・同期できます。これにより、どのデバイスからでも最新のファイルにアクセスでき、データのバックアップにもなります。
  • 設定の同期: Officeアプリの個人設定(リボンのカスタマイズや辞書など)を、同じアカウントでサインインしている他のデバイスと同期できます。
  • 共同編集: OneDriveに保存したファイルを他のユーザーと共有し、リアルタイムで一緒に編集することも可能です。

つまり、Microsoftアカウントは、あなたがMicrosoft 365の便利な機能をフル活用するための「万能キー」のようなものなのです。このキーが正しく認識されないと、Officeのドアが開かなかったり、一部の機能しか使えなかったりするわけです。

今回のエラーは、まさに「間違った鍵の情報がドアノブに詰まっている」ような状態。正しい鍵を使えるようにするために、詰まっている古い情報を取り除く作業が必要になる、というわけです。

アカウント情報の管理は慎重に!
Microsoftアカウントのメールアドレスとパスワードは、非常に大切な情報です。他人に知られないように厳重に管理しましょう。特にパスワードは、推測されにくい複雑なものを設定し、定期的に変更することをおすすめします。

なぜエラーが起きるの? – 主な原因を徹底解説

「組織の別のアカウントが…」というエラーが表示される背景には、いくつかの典型的な原因があります。ここでは、その主な原因を一つずつ、パソコン初心者の方にもイメージしやすいように詳しく見ていきましょう。自分の状況がどれに当てはまるか考えながら読むと、解決への近道が見つかるかもしれません。

原因1:パソコンに別の「職場または学校アカウント」が残っている

これが最も一般的で、可能性の高い原因です。

あなたのパソコンの「設定」の中に、「職場または学校にアクセスする」という項目があります。ここは、文字通り、会社や学校から提供されたアカウント(組織アカウント)を使って、その組織のネットワークやリソース(共有ファイルや特別なアプリなど)に接続するための設定を行う場所です。

ここに、あなたが現在使おうとしているMicrosoft 365のアカウントとは別の組織アカウントが登録されたままになっていると、Officeアプリがそれを優先的に認識してしまい、「既に別のアカウントがサインイン済みですよ」というエラーを出してしまうのです。

なぜここに別のアカウントが登録されるの?

  • 中古のPCを購入した: 前の持ち主が会社や学校で使っていて、その時のアカウント情報が消去されずに残っていた。
  • PCを借りた/譲り受けた: 家族や友人から借りたPCで、その人が職場や学校のアカウントを使っていた。
  • 一時的に組織アカウントでサインインした: 過去に、自分の個人用PCで一時的に会社や学校のメールやファイルにアクセスするために組織アカウントでサインインし、その情報がそのまま残ってしまった。
  • Windowsの初期設定時: まれに、Windowsのセットアップ中に意図せず組織アカウントが関連付けられてしまうことがあるようです(特に組織から提供されたPCの場合)。
ここにWindows設定画面の「職場または学校にアクセスする」のスクリーンショットが入るイメージです。アカウントがリストされている様子など。

この場合、対処法としては、この「職場または学校にアクセスする」設定から、不要な、あるいは競合しているアカウントを切断(削除)することになります。具体的な手順は後ほど詳しく説明しますね。

原因2:Officeアプリに古いアカウント情報(キャッシュ)が残っている

Officeアプリケーション(WordやExcelなど)自体が、過去にサインインしたアカウントの情報を一時的に記憶していることがあります。これを「キャッシュ」と呼びます。通常、このキャッシュはスムーズなサインインを助けるためのものですが、時々、古い情報や矛盾した情報が残ってしまい、新しいサインインを邪魔することがあります。

例えば、以前は別のMicrosoftアカウントでOfficeを使っていたけれど、新しいアカウントに切り替えようとした際、古いアカウントの情報がアプリ内にしぶとく残っていて、新しいアカウントでのサインインを妨害してしまう、といったケースです。

キャッシュって何?

キャッシュとは、よく使う情報を一時的に保存しておく仕組みのことです。例えば、ウェブサイトを一度見ると、次回同じサイトを開いたときに表示が速くなることがありますよね?あれは、画像などの一部のデータがキャッシュとしてパソコンに保存されているからです。Officeアプリも同様に、サインイン情報などをキャッシュとして持っているのです。

この古いキャッシュ情報が、今回のエラーメッセージ「組織の別のアカウントが…」の一因となることも考えられます。特に、エラーメッセージに「組織の」とあるので、過去に組織アカウントでサインインした際のキャッシュが影響している可能性が高いです。

対処法としては、Officeアプリから一度完全にサインアウトし、アプリを再起動してから、改めて正しいアカウントでサインインを試みることになります。

原因3:Windowsの「資格情報マネージャー」に古い情報がひっそりと…

Windowsには、「資格情報マネージャー」という、さまざまなサービスへのサインイン情報(ユーザー名やパスワードなど)を記憶しておく機能があります。これは、ウェブサイトのログイン情報をブラウザが記憶するのと少し似ていますね。この資格情報マネージャーに、Office関連の古いアカウント情報や、競合する可能性のある組織アカウントの情報が登録されたままになっていると、問題を引き起こすことがあります。

資格情報マネージャーとは?

コントロールパネルの中にある、ちょっと専門的なツールです。「Windows資格情報」と「汎用資格情報」というセクションがあり、ここにさまざまなログイン情報が保存されています。例えば、ネットワークドライブへの接続情報や、特定のアプリのログイン情報などです。

Office関連の資格情報としては、MicrosoftOfficeXXData:YYYY(XXやYYYYはバージョンや種類によって変わります)のような名前で保存されていることがあります。もしここに、問題を引き起こしていそうな古いアカウント情報や、心当たりのない組織アカウントの資格情報があれば、それがエラーの原因となっている可能性があります。

ここに資格情報マネージャーのスクリーンショットが入るイメージです。Office関連の資格情報がリストされている様子など。

対処法は、この資格情報マネージャーから、該当するOffice関連の古い資格情報を探し出して削除することです。ただし、ここは少しデリケートな場所なので、むやみに他の情報を削除しないよう注意が必要です。

原因4:前のパソコンでのサインアウトが不完全だった?(可能性は低いけど)

これは、今回の「組織の別のアカウントが…」というエラーメッセージの直接的な原因としては可能性が低いですが、関連知識として知っておくと良いかもしれません。

Microsoft 365のライセンスは、通常、1つのアカウントで複数のデバイス(PC、Mac、タブレットなど)にインストールして利用できますが、同時にアクティブにサインインできるデバイス数には上限があります(例:個人向けプランで通常5台)。

もし、新しいパソコン(Bパソコン)でサインインしようとする前に使っていた古いパソコン(Aパソコン)で、Officeアプリからだけでなく、Microsoftアカウントのデバイス管理ページからもきちんとサインアウトやデバイスの関連付け解除が行われていない場合、まれにライセンスの認識に問題が生じることがあります。

ただし、今回のエラーメッセージは「ライセンスの上限に達した」という類のものではなく、あくまで「デバイス内に別の組織アカウントの情報がある」ことを示唆しているので、この原因の優先度は低いと考えて良いでしょう。それでも、もし他の対処法で解決しない場合には、念のためMicrosoftアカウントの管理ページでデバイス情報を確認してみるのも一つの手です。

主に上記1~3の原因が複合的に絡み合っていることもあります。そのため、対処法を一つずつ試していくことが重要になります。

エラー解決!具体的な対処方法をステップバイステップで解説

お待たせしました!ここからは、いよいよ「組織の別のアカウントが…」エラーを解決するための具体的な対処方法を、パソコン初心者の方にも分かりやすく、手順を追って説明していきます。焦らず、一つずつ試してみてくださいね。各対処法を試した後は、必ずパソコンを再起動し、Officeアプリ(WordやExcelなど)を起動してサインインできるか確認してください。

作業前の心構え:

  • 手順をよく読んで、慌てずに操作しましょう。
  • 一つの対処法を試したら、その都度Officeにサインインできるか確認しましょう。
  • もし操作が不安な場合や、会社・学校のパソコンの場合は、IT管理者の方に相談することも検討してください。

対処法1:PCの「職場または学校アカウント」を確認・整理する

エラー原因のトップバッターとして挙げた、パソコン内に残っている別の「職場または学校アカウント」情報を削除(切断)する方法です。これが最も効果的な場合が多いです。

手順:

  1. Windowsの「設定」を開きます。

    画面左下のスタートボタン(Windowsのロゴマーク)をクリックし、表示されたメニューの中から歯車の形をした「設定」アイコンをクリックします。

    ここにスタートメニューと設定アイコンを指し示したスクリーンショットが入るイメージです。
  2. 「アカウント」を選択します。

    「設定」ウィンドウが開いたら、たくさんの項目が並んでいる中から「アカウント」という項目を探してクリックします。

    ここにWindows設定の「アカウント」項目をハイライトしたスクリーンショットが入るイメージです。
  3. 左側のメニューから「職場または学校にアクセスする」を選択します。

    「アカウント」の画面が開いたら、左側にメニューがいくつか表示されます。その中から「職場または学校にアクセスする」をクリックします。

    ここに「職場または学校にアクセスする」メニューをハイライトしたスクリーンショットが入るイメージです。
  4. 登録されているアカウントを確認し、不要なものを切断します。

    右側に、このパソコンに接続されている「職場または学校アカウント」の一覧が表示されます(何も登録されていなければ、この画面は空です)。

    ここに、あなたが現在Officeで使いたいアカウントとは異なるアカウントや、心当たりのない組織アカウントが表示されていたら、それが問題の原因である可能性が高いです。

    その該当するアカウントをクリックして選択すると、「管理」や「切断」といったボタンが表示されます。「切断」ボタンをクリックしてください。

    ここに職場または学校アカウントがリストされ、特定のアカウントを選択して「切断」ボタンが表示されているスクリーンショットが入るイメージです。

    「このデバイスからこのアカウントを切断しますか?」といった確認メッセージが表示されたら、内容をよく読んで「はい」または「切断」をクリックします。

    注意:もし、ここに表示されているアカウントが現在も業務や学業で必要なものである場合は、むやみに切断しないでください。判断に迷う場合は、組織のIT管理者に相談しましょう。個人のパソコンで、明らかに不要と思われる過去のアカウント情報であれば、切断して問題ないケースが多いです。

  5. パソコンを再起動します。

    アカウントの切断が完了したら、必ずパソコンを再起動してください。これにより、変更がシステムに正しく反映されます。

  6. Officeアプリでサインインを試します。

    再起動後、WordやExcelなどのOfficeアプリを起動し、あなたが使いたい正しいMicrosoftアカウントでサインインできるか試してみてください。

この対処法で解決することが非常に多いので、まずはここからじっくり試してみてください。

対処法2:Officeアプリから完全にサインアウトして再挑戦!

Officeアプリ内に残っている古いアカウントのキャッシュ情報が原因の場合、アプリから一度完全にサインアウトし、再度サインインすることで解決することがあります。

手順:

  1. いずれかのOfficeアプリ(例: WordやExcel)を開きます。
  2. 「ファイル」メニューをクリックします。

    アプリの左上にある「ファイル」というタブをクリックします。

    ここにWordやExcelの「ファイル」タブを指し示したスクリーンショットが入るイメージです。
  3. 左側のメニューから「アカウント」(または「Officeアカウント」)を選択します。

    「ファイル」メニューを開くと、左側に新しいメニューが表示されます。その中から「アカウント」または「Officeアカウント」という項目を探してクリックします。

    ここにファイルメニュー内の「アカウント」項目をハイライトしたスクリーンショットが入るイメージです。
  4. 「ユーザー情報」の下にあるアカウントをすべてサインアウトします。

    「アカウント」画面の右側に、現在サインインしているユーザーの情報が表示されます。「ユーザー情報」という見出しの下に、アカウント名と「サインアウト」というリンクがあるはずです。

    もし複数のアカウントが表示されている場合は、すべてのアカウントからサインアウトしてください。「サインアウト」をクリックすると、確認メッセージが表示されるので、指示に従ってサインアウトを完了します。

    ここにOfficeアカウント画面で「サインアウト」リンクを指し示したスクリーンショットが入るイメージです。
  5. Officeアプリケーションをすべて終了します。

    開いているWord、Excel、PowerPoint、OutlookなどのOfficeアプリをすべて閉じてください。これにより、キャッシュがクリアされやすくなります。

  6. (推奨)パソコンを再起動します。

    完全に情報をリフレッシュするために、一度パソコンを再起動することをおすすめします。

  7. 再度Officeアプリを起動し、正しいアカウントでサインインします。

    再起動後、改めてOfficeアプリを起動します。サインインを求める画面が表示されたら、あなたが使いたい正しいMicrosoftアカウントのメールアドレスとパスワードを入力してサインインしてみてください。

    ここにOfficeのサインインを求める画面のスクリーンショットが入るイメージです。

「対処法1」と併せて行うと、より効果的な場合があります。

対処法3:Windowsの「資格情報マネージャー」を大掃除!

Windowsが記憶しているアカウント情報の中に、古いOffice関連の情報が残っていて悪さをしている場合があります。それを「資格情報マネージャー」から探し出して削除する方法です。少し専門的な操作になりますが、慎重に行えば大丈夫です。

手順:

  1. 「コントロールパネル」を開きます。

    画面左下のスタートボタンを右クリックし、表示されたメニューから「ファイル名を指定して実行」を選択します。「control」と入力してEnterキーを押すか、Windowsの検索バーに「コントロールパネル」と入力して開きます。

    (Windowsのバージョンによっては、スタートメニューから直接「Windowsシステムツール」の中の「コントロールパネル」を選べる場合もあります。)

    ここにWindowsの検索バーで「コントロールパネル」を検索しているスクリーンショットが入るイメージです。
  2. コントロールパネルの表示方法を「大きいアイコン」または「小さいアイコン」に変更します。

    コントロールパネルが開いたら、右上に「表示方法」という項目があるか確認します。もし「カテゴリ」になっていたら、そこをクリックして「大きいアイコン」または「小さいアイコン」に変更してください。こうすると、すべての項目が見やすくなります。

    ここにコントロールパネルの表示方法をアイコン表示に変更する部分のスクリーンショットが入るイメージです。
  3. 「資格情報マネージャー」を選択します。

    アイコンがたくさん並んでいる中から、「資格情報マネージャー」という項目を探してクリックします。

    ここにコントロールパネル内の「資格情報マネージャー」をハイライトしたスクリーンショットが入るイメージです。
  4. 「Windows資格情報」を選択します。

    「資格情報マネージャー」の画面が開くと、「Web資格情報」と「Windows資格情報」という2つの選択肢があります。「Windows資格情報」の方をクリックします。

    ここに資格情報マネージャーで「Windows資格情報」を選択する部分のスクリーンショットが入るイメージです。
  5. 「汎用資格情報」のセクションを確認し、Office関連の古い資格情報を削除します。

    「Windows資格情報」の下に、「汎用資格情報」というセクションがあります。ここに、さまざまなアプリケーションのログイン情報がリストされています。

    この中から、以下のような名前で始まるものや、明らかにOfficeやMicrosoftに関連すると思われる古い資格情報を探します。

    • MicrosoftOfficeXXData:YYYY (XXやYYYYは数字や文字列です)
    • MSOIDCRL
    • SSPI: の後に続くOffice関連のもの
    • その他、Microsoftアカウントのメールアドレスが含まれるものなど

    見つけたら、その資格情報の右端にある下向きの矢印(▼)をクリックして詳細を表示し、「削除」というリンクをクリックします。

    ここに汎用資格情報リストからOffice関連の資格情報を選択し、「削除」リンクが表示されているスクリーンショットが入るイメージです。

    「この資格情報を完全に削除しますか?」という確認メッセージが表示されたら、「はい」をクリックします。

    注意:どの資格情報を削除すべきか判断に迷う場合は、慎重に行ってください。明らかにOfficeに関連するものや、エラーの原因と思われる古い組織アカウント情報に絞って削除しましょう。不安な場合は、この手順はスキップするか、詳しい人に相談してください。

  6. パソコンを再起動します。

    関連する資格情報を削除したら、必ずパソコンを再起動します。

  7. Officeアプリでサインインを試します。

    再起動後、WordやExcelなどのOfficeアプリを起動し、サインインできるか確認してください。

この操作は、パソコン内に深く残っているアカウント情報をクリアにする効果が期待できます。

対処法4:(念のため)Microsoftアカウントページでデバイス管理を確認

これは直接的なエラー解決策ではないかもしれませんが、アカウントに紐づくデバイスの状況を確認しておくことで、間接的に問題解決のヒントになることがあります。特に、複数のデバイスで同じMicrosoftアカウントを利用している場合に有効です。

手順:

  1. Webブラウザ(Edge、Chrome、Firefoxなど)を開きます。
  2. Microsoftアカウントの管理ページにアクセスします。

    検索エンジンで「Microsoft アカウント」と検索するか、直接アドレスバーに account.microsoft.com と入力してアクセスします。

  3. あなたがOfficeで使いたい正しいMicrosoftアカウントでサインインします。

    メールアドレスとパスワードを入力してサインインしてください。

  4. 「デバイス」の項目を探して確認します。

    サインイン後の画面で、「サービスとサブスクリプション」の隣や、ページ上部のメニューなどに「デバイス」という項目があるはずです。これをクリックします。

    ここにMicrosoftアカウント管理ページの「デバイス」セクションを指し示したスクリーンショットが入るイメージです。

    ここには、あなたのMicrosoftアカウントに関連付けられているデバイス(パソコン、タブレット、スマートフォンなど)の一覧が表示されます。

  5. 不要なデバイスや古いデバイスの関連付けを解除(削除)します。

    もし、一覧の中に既に使用していない古いパソコン(例えば、エラーが出ているBパソコンの前に使っていたAパソコンなど)が表示されていて、それがOfficeのライセンス認証に影響を与えている可能性がある場合(特に同時使用台数制限に関連して)、そのデバイスの関連付けを解除することを検討できます。

    各デバイスの項目に「管理」や「詳細の表示」、「このデバイスを削除」といったオプションがあるはずです。不要なデバイスがあれば、そこから削除や関連付けの解除を行ってください。

    注意:現在使用中のデバイスを誤って削除しないように気をつけてください。デバイス名や最終アクセス日時などをよく確認しましょう。

  6. (法人/組織アカウントの場合)Office.comから確認

    もし職場や学校のアカウント(組織アカウント)で問題が発生している場合、Office.com にサインインし、右上のアカウントマネージャー(自分のアイコンやイニシャルが表示されている部分)をクリックし、「アカウントを表示」→「アプリとデバイス」などの項目から、インストール状況やアクティブなデバイスを確認できる場合があります。ここから不要なデバイスのサインアウトを試みることも可能です。

    ここにOffice.comのアカウント管理画面で「アプリとデバイス」のセクションを指し示したスクリーンショットが入るイメージです。
  7. 変更後、パソコンを再起動し、Officeアプリでサインインを試します。

この手順は、主にライセンス認証の競合を避けるためのものですが、アカウント情報の整理という意味でも有効です。

対処法5:Officeアプリの調子がおかしい?修復機能を試してみよう

上記までの対処法を試しても解決しない場合、Officeアプリケーションのプログラム自体が何らかの理由で破損していたり、設定ファイルに異常があったりする可能性も考えられます。そのような場合は、Officeの「修復機能」を試してみる価値があります。

手順:

  1. 「コントロールパネル」を開きます。(対処法3の手順1と同様です)
  2. 「プログラムと機能」(または「プログラムのアンインストール」)を選択します。

    コントロールパネルの表示方法が「カテゴリ」の場合は「プログラムのアンインストール」を、アイコン表示の場合は「プログラムと機能」をクリックします。

    ここにコントロールパネルの「プログラムと機能」をハイライトしたスクリーンショットが入るイメージです。
  3. インストールされているプログラムの一覧から、お使いのMicrosoft 365(またはMicrosoft Office)製品を探します。

    例えば、「Microsoft 365 Apps for business – ja-jp」や「Microsoft Office Professional Plus 20XX – ja-jp」といった名前です。

  4. 該当するMicrosoft 365製品を選択し、「変更」をクリックします。

    プログラム一覧の上部に「変更」というボタンが表示されるか、製品名を右クリックすると「変更」というメニューが表示されます。

    ここにプログラム一覧でMicrosoft 365製品を選択し、「変更」ボタンが押せる状態のスクリーンショットが入るイメージです。
  5. 修復オプションを選択します。

    「どのようにOfficeプログラムを修復しますか?」といった画面が表示されます。通常、以下の2つのオプションがあります。

    • クイック修復: ファイルの破損などを短時間でスキャンして修復します。まずはこちらを試してみましょう。インターネット接続は不要です。
    • オンライン修復: より広範囲な問題を解決するために、Officeを再インストールするのに近い形で修復します。クイック修復で解決しない場合に試します。時間がかかり、インターネット接続が必要です。

    まずは「クイック修復」を選択し、「修復」ボタンをクリックします。修復が完了するまで待ちます。

    ここにクイック修復とオンライン修復の選択画面のスクリーンショットが入るイメージです。
  6. 修復完了後、パソコンを再起動します。
  7. Officeアプリでサインインを試します。

    クイック修復で解決しない場合は、再度手順4から進み、今度は「オンライン修復」を試してみてください。オンライン修復は、ほぼ再インストールに近い処理を行うため、より多くの問題を解決できる可能性がありますが、完了までに時間がかかることがあります。

オンライン修復の注意点:オンライン修復を実行すると、Officeのライセンス認証が再度必要になる場合があります。サインインするMicrosoftアカウントの情報を事前に確認しておきましょう。

これでも解決しない場合は、一度Officeを完全にアンインストールしてから再インストールするという最終手段もありますが、その前に次の「注意点」のセクションも読んでみてください。

作業する上での大切な注意点 – これだけは守って!

ここまでいくつかの対処法をご紹介してきましたが、作業を進める上でいくつか注意していただきたい点があります。これらを守ることで、より安全に、そしてスムーズに問題を解決できるはずです。

  • 焦らず、一つずつ丁寧に:

    エラーが出ると焦ってしまいがちですが、まずは深呼吸。この記事の手順を一つずつ、ゆっくりと確認しながら進めてください。複数の対処法を一度に試したり、途中で手順を飛ばしたりすると、かえって問題が複雑になることがあります。

  • アカウント情報は正確に:

    Microsoftアカウントのメールアドレスとパスワードは、Officeを利用するための非常に大切な「鍵」です。サインインを試す際には、大文字・小文字、数字、記号などが正確に入力されているか、何度も確認しましょう。パスワードを忘れてしまった場合は、Microsoftのパスワードリセット手順に従ってください。

  • 会社や学校のパソコンの場合、まずはIT管理者に相談を:

    もしエラーが発生しているパソコンが、勤務先の会社や通っている学校から支給されたもの、あるいはそれらのネットワークに接続して利用するものである場合、自分で勝手に設定を変更する前に、まず組織のIT管理者やヘルプデスクに相談することを強くおすすめします。

    組織によっては、セキュリティポリシーや独自のシステム設定があり、一般ユーザーが変更できない箇所があったり、特定の対処法が推奨されていたりする場合があります。自己判断で操作した結果、さらに大きな問題を引き起こしてしまう可能性もゼロではありません。「組織のアカウント」というエラーメッセージが出ている時点で、組織の管理下にあるアカウントが関わっている可能性が高いので、この点は特に重要です。

  • 重要なデータのバックアップ(念のため):

    今回のエラー解決作業で、直接的にあなたの作成したWord文書やExcelファイルなどのデータが消えてしまうことは通常ありません。しかし、パソコンの操作に不慣れな場合や、万が一の事態に備えて、大切なファイルは事前にUSBメモリや外付けハードディスク、あるいは別のクラウドストレージ(個人用のOneDriveなど、問題のアカウントとは別のもの)にバックアップしておくと、より安心して作業に取り組めます。

  • インターネット接続の確認:

    Officeのサインインやライセンス認証、オンライン修復など、一部の対処法では安定したインターネット接続が必要です。作業を行う前に、インターネットに正しく接続されていることを確認してください。

  • 公式情報を確認する癖をつける:

    この記事では一般的な対処法を解説していますが、Microsoft 365の仕様やエラーの状況は、OSのバージョンやOfficeのプランによって細部が異なる場合があります。もし疑問点が出てきたり、この記事だけでは解決しなかったりした場合は、Microsoftの公式サイトにあるサポートページやコミュニティフォーラムを参照することも非常に有効です。「Microsoft 365 サインインできない」「組織のアカウント エラー」などのキーワードで検索すると、役立つ情報が見つかることがあります。

  • それでもダメなら専門家のサポートを:

    上記すべての方法を試しても問題が解決しない場合は、無理に自分で解決しようとせず、Microsoftの公式サポートに問い合わせるか、お近くのパソコン修理業者やサポートサービスに相談することも検討しましょう。特に、サブスクリプション契約をしている場合は、公式サポートが利用できるはずです。

これらの注意点を頭の片隅に置きながら、落ち着いて対処していきましょう。

まとめ – これで安心!快適なOfficeライフを取り戻そう

今回は、多くのパソコンユーザーを悩ませる「組織の別のアカウントがこのデバイスで既にサインインしてます。別のアカウントでもう一度お試し下さい。」というエラーメッセージの原因と、その具体的な対処法について、パソコン初心者の方にも分かりやすく解説してきました。

このエラーの主な原因は、

  • パソコンの「職場または学校アカウント」設定に古い組織アカウント情報が残っている。
  • OfficeアプリやWindowsの資格情報マネージャーに古いアカウントのキャッシュや資格情報が残っている。

といった点に集約されることが多いです。

そして、それに対する主な対処法として、

  1. PCの「職場または学校アカウント」の確認と切断
  2. Officeアプリからの完全サインアウトと再サインイン
  3. Windowsの「資格情報マネージャー」のクリア
  4. (念のため)Microsoftアカウントページでのデバイス管理の確認
  5. Officeアプリケーションの修復機能の利用

を、具体的な手順とともにご紹介しました。

多くの場合、これらの手順を一つずつ丁寧に試していただくことで、問題は解決に向かうはずです。大切なのは、焦らず、エラーメッセージの意味を理解し、適切な対処を落ち着いて行うことです。

もし、あなたが会社や学校のパソコンでこの問題に直面しているなら、まずは組織のIT管理者に相談することを忘れないでくださいね。

この記事が、あなたのOfficeライフを再び快適なものにするための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。Wordでの文書作成も、Excelでのデータ集計も、PowerPointでのプレゼン資料作りも、これからはスムーズに進められるはずです。

Microsoft 365は、正しく使えば私たちの学習や仕事を力強くサポートしてくれる素晴らしいツールです。今回のトラブル解決を一つの経験として、これからも積極的に活用していってくださいね!

 
※参考にされる場合は自己責任でお願いします。