「ウェブサイトからのお問い合わせ、ちゃんと把握できていますか?」「GA4ってなんだか難しそう…」そんな悩みを抱えるあなたへ。この記事を読めば、GA4初心者でも迷わずお問い合わせ完了をコンバージョンとして計測できるようになります!画像付き(イメージ)で手順を丁寧に解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
はじめに:コンバージョン計測はウェブサイト成長の羅針盤
ウェブサイトを運営しているけれど、「実際どれくらい成果が出ているんだろう?」「もっとお問い合わせを増やしたいけど、何から手をつければいいかわからない…」そんな風に感じていませんか?その答えを見つける第一歩が「コンバージョン計測」です。
この記事では、Google Analytics 4(GA4)を使って、ウェブサイトの成果の代表例である「お問い合わせ完了」を正確に計測するための設定方法を、初心者の方にもわかりやすく、ステップバイステップで徹底解説します。GA4は初めてで不安…という方も、この記事を読み終える頃には、自信を持ってコンバージョン設定ができるようになっているはずです!
コンバージョンとは?GA4のコンバージョンの考え方
まず、「コンバージョン(CV)」とは何でしょうか?簡単に言うと、ウェブサイト上で達成してほしい目標(成果)のことです。例えば、ECサイトなら「商品購入」、情報サイトなら「会員登録」、そして多くの企業サイトにとっては「お問い合わせ獲得」や「資料請求」などがコンバージョンにあたります。
GA4では、これらのコンバージョンを「キーイベント」として計測します。旧バージョンのユニバーサルアナリティクス(UA)では「目標」として設定していましたが、GA4ではすべてのユーザー行動を「イベント」として捉え、その中から特に重要なイベントを「キーイベント」として指定する考え方になりました。この変更により、より柔軟で詳細な分析が可能になっています。
GA4のイベントとは?
GA4では、ユーザーがウェブサイトやアプリで行うほぼすべてのアクション(ページの表示、クリック、スクロール、ファイルのダウンロードなど)を「イベント」として計測します。これにより、ユーザーの行動をより深く理解できるようになります。
なぜコンバージョン計測が重要なのか?
コンバージョンを計測することは、ウェブサイト運営において非常に重要です。具体的には、以下のようなメリットがあります。
- ウェブサイトの成果を可視化できる:どれだけの人がお問い合わせをしてくれたのか、具体的な数値で把握できます。
- 改善点が見つかる:どのページがお問い合わせに繋がっているのか、逆にどのページで離脱が多いのかなどを分析し、サイト改善のヒントを得られます。
- 広告効果を測定できる:広告経由でどれだけのコンバージョンがあったかを計測し、広告の費用対効果を評価できます。
- データに基づいた意思決定ができる:勘や経験だけでなく、客観的なデータに基づいてウェブサイト戦略を立てられます。
つまり、コンバージョン計測は、あなたのウェブサイトが目指すゴールへの道のりを照らし、正しい方向に導いてくれる羅針盤のようなものなのです。
この記事でわかること・対象読者
この記事では、以下の内容を解説します。
- GA4で「お問い合わせ完了」をコンバージョンとして計測するための具体的な設定手順
- 設定が正しく行われたかを確認する方法(リアルタイムレポート、DebugViewの活用)
- よくあるつまずきポイントとその解決策
対象読者:
- GA4を最近導入したばかりの初心者の方
- ウェブサイトの担当者で、お問い合わせ数を正確に把握したい方
- これまでUA(ユニバーサルアナリティクス)を使っていたが、GA4でのコンバージョン設定に戸惑っている方
- プログラミングの知識はないけれど、自分でGA4の設定をしたい方
専門用語はできるだけ避け、わかりやすい言葉で説明することを心がけています。さあ、一緒にGA4のコンバージョン計測をマスターしましょう!
準備編:GA4でコンバージョンを計測する前に押さえておくこと
いよいよ設定…と行きたいところですが、その前にいくつか確認しておきたい大切な準備があります。ここをしっかり押さえておくことで、後の設定がスムーズに進みますよ。
GA4プロパティは導入済みですか?
この記事は、すでにGA4プロパティが作成され、ウェブサイトに計測タグが設置されていることを前提としています。まだGA4を導入していない場合は、まず以下の手順で導入を完了させてください。
- Google Analyticsのアカウントを作成(または既存アカウントにログイン)
- GA4プロパティを作成
- ウェブサイトにGA4の計測タグ(gtag.jsまたはGoogle Tag Manager経由)を設置
GA4の導入方法については、Googleの公式ヘルプや多くの解説記事がありますので、そちらを参考にしてくださいね。(例:「GA4 導入方法」で検索)
GA4プロパティ作成画面のイメージ図(公式ヘルプ等を参照)
最重要!コンバージョンポイントを明確にしよう
GA4でコンバージョンを設定する上で、最も重要なのが「何をコンバージョン(成果)とするか」を明確にすることです。そして、そのコンバージョンが達成されたことを、GA4がどのように認識できるか、その「目印」を決める必要があります。
今回は「お問い合わせ完了」をコンバージョンとしますが、それがウェブサイト上でどのように表現されているかを確認しましょう。
お問い合わせ完了の「目印」とは?
一般的に、お問い合わせフォームを送信した後には、以下のようなページやアクションが発生します。
- サンクスページ(完了ページ)への遷移:「お問い合わせありがとうございました」といったメッセージが表示される専用のページに移動する。これが最も一般的で、設定しやすい目印です。
- 同一ページ内でのメッセージ表示:ページ遷移はせず、フォームの下などに「送信完了しました」というメッセージが表示される。
- 特定のボタンクリック:「送信」ボタンが押されたことをもって完了とみなす(ただし、エラーで送信失敗した場合もカウントされる可能性あり)。
この記事では、最も確実で推奨される「サンクスページ(完了ページ)への遷移」を基準にした設定方法を詳しく解説します。
もしあなたのウェブサイトに明確なサンクスページがない場合は、設定方法が少し複雑になります。その場合は、フォーム送信ボタンのクリックを計測するなどの代替手段を検討する必要がありますが、可能であればサンクスページを設置することをおすすめします。
あなたの「お問い合わせ完了ページ」のURLを確認!
サンクスページを目印にする場合、そのページのURLが設定の鍵となります。今すぐ、あなたのウェブサイトのお問い合わせフォームをテスト送信して、完了後に表示されるページのURLを正確に控えておきましょう。
URLの形式はサイトによって様々です。以下にいくつかの例を挙げます。
サンクスページURLの例:
https://example.com/contact/thanks/
https://example.com/contact-complete.html
https://example.com/contact.php?status=success
https://example.com/contact?thanks=true
- (今回のユーザー様からのご質問にあった形式)
https://example.com//contact?thanks=
チェックポイント:
- ドメイン名(
https://example.com
の部分) - パス(
/contact/thanks/
の部分) - クエリパラメータ(
?status=success
や?thanks=
の部分) - URLに
#
(フラグメント)が含まれているか? (GA4の標準的なページビューイベントではフラグメントは通常送信されませんが、意識しておく必要はあります)
特に、URLの末尾に/
(スラッシュ)が付くか付かないか、www
が付くか付かないかなども、設定によっては影響することがあるため、ブラウザのアドレスバーに表示されている通りの正確なURLを把握しておくことが大切です。
今回の記事では、特にhttps://example.com//contact?thanks=
のような、少し特殊に見えるURL(ドメイン直後のスラッシュが二重になっている、クエリパラメータで完了を示している)のケースも考慮して解説を進めますのでご安心ください!
さあ、サンクスページのURLは確認できましたか?準備が整ったら、いよいよ実践編に進みましょう!
実践編:GA4でお問い合わせ完了をコンバージョンとして設定する全手順
お待たせしました!ここからは、実際にGA4の画面を操作しながら、お問い合わせ完了をコンバージョンとして設定していきます。大きく分けて2つのステップで完了します。
- ステップ1:GA4で新しいイベントを作成する(サンクスページへのアクセスを特定のイベントとして定義)
- ステップ2:作成したイベントをキーイベント(コンバージョン)としてマークする
スクリーンショットのイメージを参考にしながら、一緒に進めていきましょう。
ステップ1:GA4で新しいイベントを作成する
まず、ユーザーがサンクスページにアクセスしたときに、「お問い合わせが完了した!」ということをGA4に伝えるための「目印」となる新しいイベントを作成します。これは、GA4が自動で収集するpage_view
イベント(ユーザーがページを閲覧したときに発生するイベント)を元に、特定の条件に合致した場合に新しい名前のイベントを生成する、という仕組みを利用します。
1. GA4管理画面へアクセス
GA4にログインし、左下の「管理」(歯車のアイコン)をクリックします。
GA4管理画面 左下の歯車アイコン
2. 「イベント」メニューへ移動
「プロパティ」列(真ん中の列)にある「イベント」をクリックします。
GA4管理画面 プロパティ列の「イベント」
3. 「イベントを作成」ボタンをクリック
「既存のイベント」という表が表示されている画面の右上にある「イベントを作成」という青いボタンをクリックします。さらに、表示された画面の右上にある「作成」ボタンをクリックします。
イベント画面右上の「イベントを作成」ボタン、次の画面の「作成」ボタン
4. カスタムイベントの設定
「カスタムイベントの作成」という画面が表示されます。ここで、新しいイベントのルールを定義していきます。
カスタムイベントの作成画面全体
4-1. カスタムイベント名
まず、「カスタムイベント名」を入力します。これは、あなたがGA4内で識別するための新しいイベントの名前です。自由に設定できますが、以下のルールとポイントに注意してください。
- 命名規則:
- 英数字とアンダースコア (
_
) のみ使用できます。 - スペースは使用できません。
- 大文字と小文字は区別されます。
- Googleが予約しているイベント名(例:
page_view
,session_start
など)や推奨イベント名と完全に同じ名前は避けた方が無難です(ただし、推奨イベントの意図で使う場合は除く)。
- 英数字とアンダースコア (
- 分かりやすい名前の付け方:
- 例:
contact_form_thanks
,inquiry_complete
,generate_lead_contact
- 今回の記事では、例として
contactform_thanks_page
という名前にしてみましょう。
- 例:
例:カスタムイベント名に contactform_thanks_page
と入力
推奨イベント generate_lead
について
GA4には、Googleが推奨するイベント名がいくつか用意されています。見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)を意味するgenerate_lead
は、お問い合わせ完了に適した推奨イベントの一つです。これを利用するメリットは、GA4の一部のレポートで自動的に分類されたり、将来的にGoogleの機械学習機能と連携しやすくなる可能性がある点です。もしgenerate_lead
を使いたい場合は、カスタムイベント名にgenerate_lead
と入力し、必要に応じてパラメータ(後述)を追加することも検討しましょう。ただし、今回は初心者向けに分かりやすく、完全にオリジナルのカスタムイベント名で進めます。
4-2. 一致する条件
次に、「一致する条件」を設定します。ここで、「どんな条件のときに、このcontactform_thanks_page
イベントを発生させるか」を指定します。今回は「ユーザーがお問い合わせ完了ページを閲覧したとき」という条件を設定します。
GA4では、すべてのページ表示がpage_view
というイベントで計測されています。このpage_view
イベントの中から、特定のURL(サンクスページのURL)のものを絞り込む、という考え方です。
条件1:元となるイベントを指定
- パラメータ:
event_name
を選択します。 - 演算子:
次と等しい
を選択します。 - 値:
page_view
と入力します。
これで、「page_view
という名前のイベントが発生したときに」という基本的な条件が設定できました。
一致する条件1 (event_name = page_view) の設定
条件2:サンクスページのURLを指定
次に、「条件を追加」ボタンをクリックして、2つ目の条件を設定します。ここで、準備編で確認したサンクスページのURLを使います。
- パラメータ:
page_location
を選択します。 (page_location
はページの完全なURLです。ドメイン以下のパス部分だけで判定したい場合はpage_path
も使えますが、ここではpage_location
を推奨します。) - 演算子: ここが重要です。サンクスページのURLの形式によって最適な演算子を選びます。
次と等しい
:URLが完全に一致する場合(例:https://example.com/contact/thanks/
のように、パラメータ等がつかない固定URLの場合)。次を含む
:URLの一部に特定の文字列が含まれていれば良い場合(例:URLのどこかに?thanks=
という文字列があればOK、など)。クエリパラメータで完了を示す場合に便利です。次で始まる
:URLの先頭部分が一致する場合(例:https://example.com/contact/complete
で始まる複数の完了ページがある場合)。次で終わる
:URLの末尾部分が一致する場合(例:/thanks.html
で終わるページ)。正規表現に一致
:より複雑な条件を指定したい上級者向け。
- 値: サンクスページURLに応じた文字列を入力します。
あなたのサンクスページURLに合わせた演算子と値の例
準備編で確認したあなたのサンクスページURLに合わせて設定しましょう。
- 例1:URLが
https://example.com/contact/thanks/
の場合- 演算子:
次と等しい
- 値:
https://example.com/contact/thanks/
- 演算子:
- 例2:URLが
https://example.com/contact.php?status=success
の場合- 演算子:
次を含む
- 値:
?status=success
(または、より厳密に/contact.php?status=success
)
- 演算子:
- 例3:URLが
https://example.com//contact?thanks=
の場合(ご質問のケース)この場合、
//
がブラウザやGA4によって/
に正規化されて記録される可能性が高いですが、確実性を期すためにクエリパラメータ部分で判定するのが良いでしょう。- パラメータ:
page_location
- 演算子:
次を含む
- 値:
?thanks=
より厳密にしたい場合は、値に
/contact?thanks=
とすることも考えられます。最も確実なのは、後述するDebugViewで実際に記録されるpage_location
の値を確認してから設定することです。 - パラメータ:
一致する条件2 (page_location の設定例)
これで、「page_view
イベントのうち、page_location
が指定した条件に一致するもの」だけが、新しいカスタムイベントcontactform_thanks_page
として記録されるようになります。
4-3. パラメータ設定(任意)
「パラメータ設定」という項目がありますが、基本的なコンバージョン計測であれば、ここは特に設定しなくても問題ありません。「既存のイベントからパラメータをコピー」にチェックが入っていれば、元のpage_view
イベントが持っていたパラメータ(ページのタイトルや言語など)が新しいカスタムイベントにも引き継がれます。
特定の値をこの新しいイベントに付与したい場合(例えば、お問い合わせの種類など)は、「パラメータを追加」で設定できますが、まずはシンプルにいきましょう。
5. 「作成」ボタンをクリック
すべての設定が完了したら、画面右上の「作成」ボタンをクリックします。
これで、ステップ1の「新しいイベントの作成」は完了です!お疲れ様でした!
注意: 作成したカスタムイベントがGA4のシステムに完全に認識され、レポートに表示されるようになるまでには、少し時間がかかることがあります(数時間~24時間程度)。すぐに表示されなくても焦らないでくださいね。
ステップ2:作成したイベントをキーイベント(コンバージョン)としてマークする
ステップ1で、サンクスページへのアクセスをcontactform_thanks_page
という名前のカスタムイベントとしてGA4に記録する設定をしました。しかし、これだけではまだ「コンバージョン」として集計されません。
GA4では、数あるイベントの中から「これはビジネスにとって重要な成果(コンバージョン)ですよ」と教えてあげるために、該当のイベントを**「キーイベント」**としてマークする必要があります。(以前は「コンバージョンとしてマークを付ける」という名称でした。)
1. 「キーイベント」メニューへ移動
GA4管理画面の「プロパティ」列にある「キーイベント」(以前の「コンバージョン」)をクリックします。
GA4管理画面 プロパティ列の「キーイベント」
2. 「新しいキーイベント」ボタンをクリック
「キーイベント」画面の右上にある「新しいキーイベント」という青いボタンをクリックします。
キーイベント画面右上の「新しいキーイベント」ボタン
3. 新しいイベント名を入力
「新しいイベント名」という入力欄が表示されます。ここに、ステップ1で作成したカスタムイベント名を、一字一句間違えずに正確に入力します。大文字・小文字も区別されるので注意してください。
例:contactform_thanks_page
と入力
「新しいイベント名」入力欄にカスタムイベント名を入力
4. 「保存」をクリック
入力したら、「保存」ボタンをクリックします。
これで、contactform_thanks_page
イベントがキーイベント(コンバージョン)として登録されました!
代替方法:イベント一覧からマークする
実は、ステップ1で作成したカスタムイベントがGA4で受信され始めると(通常、数時間~24時間後)、「管理」>「イベント」の一覧にそのイベント名が表示されるようになります。その一覧の中に、あなたが作成したcontactform_thanks_page
が表示されたら、その行の右側にある「キーイベントとしてマークを付ける」というトグルスイッチをオンにするだけでも、同様にキーイベントとして設定できます。
「イベント」一覧で「キーイベントとしてマークを付ける」トグルスイッチ
ただし、イベントが受信されるまで待つ必要があるため、急いで設定したい場合は「新しいキーイベント」ボタンから手動で登録する方が早いです。
以上で、GA4でお問い合わせ完了をコンバージョンとして計測するための設定はすべて完了です!本当にお疲れ様でした!
でも、安心してはいけません。次に、設定が本当に正しく動作しているかを確認する作業が待っています。これが非常に重要です。
確認編:設定が正しく行われたかチェックしよう!
設定は完了しましたが、「本当にこれで合ってるのかな…?」と不安になりますよね。大丈夫です!GA4には、設定が正しく動作しているかを確認するための強力なツールが用意されています。ここでは主に3つの確認方法を紹介します。
リアルタイムレポートで即時確認!
リアルタイムレポートは、ウェブサイトで発生したイベントをほぼリアルタイム(通常数分以内)で確認できる機能です。設定したばかりのコンバージョンをすぐにテストしたい場合に非常に役立ちます。
1. リアルタイムレポートを開く
GA4の左側ナビゲーションメニューから「レポート」をクリックし、次に「リアルタイム」を選択します。
GA4ナビゲーションの「レポート」>「リアルタイム」
2. テストアクセスを行う
別のブラウザウィンドウやスマートフォンなどを使って、あなたのウェブサイトのお問い合わせフォームからテスト送信を行い、サンクスページが表示されることを確認してください。(ご自身のIPアドレスを除外している場合は、一時的に解除するか、別のネットワークからアクセスしましょう。)
3. リアルタイムレポートで確認
テストアクセス後、数分待ってからリアルタイムレポートを注意深く見てみましょう。以下のカードに注目です。
- 「イベント(イベント名)」カード(または「イベント数(イベント名別)」):
ここに、ステップ1で作成したカスタムイベント名(例:
contactform_thanks_page
)が表示され、過去30分間の発生回数がカウントされていれば、イベント作成の設定は成功です! - 「キーイベント(イベント名)」カード(または「コンバージョン(イベント名別)」):
カスタムイベントをキーイベントとしてマークしていれば、こちらのカードにもイベント名が表示され、コンバージョンとしてのカウントが確認できるはずです。
リアルタイムレポートの「イベント」カードと「キーイベント」カードでカスタムイベントが表示されている様子
もしイベント名が表示されない場合は、設定に誤りがあるか、イベント発生の条件が満たされていない可能性があります。次の「DebugViewでの詳細確認」に進んで、原因を特定しましょう。
DebugViewで詳細確認(超重要・イチオシ!)
DebugViewは、GA4のデータ収集をリアルタイムで詳細に監視できるデバッグツールです。イベントが正しく発生しているか、パラメータは期待通りかなどを細かくチェックできるため、設定のトラブルシューティングには欠かせません。初心者の方には少し難しく感じるかもしれませんが、ぜひ使い方を覚えておきましょう!
1. デバッグモードを有効にする
DebugViewを利用するには、まずご自身のブラウザで「デバッグモード」を有効にする必要があります。いくつかの方法があります。
- Google Tag Manager (GTM) を利用している場合(推奨):
GTMの管理画面で「プレビュー」モードを開始すると、そのブラウザでのGA4イベントが自動的にデバッグモードで送信されます。これが最も簡単で安全な方法です。
GTMのプレビューモード開始ボタン
- Chrome拡張機能「Google Analytics Debugger」を利用する場合:
Google Chromeウェブストアから「Google Analytics Debugger」という拡張機能をインストールし、アイコンをクリックして「ON」にします。その後、ウェブサイトを再読み込みしてください。
Google Analytics Debugger拡張機能のアイコン
- gtag.jsに直接コードを追加する場合(上級者向け・一時的な利用に):
ウェブサイトのGA4計測タグに一時的に
{'debug_mode':true}
というパラメータを追加します。gtag('config', 'G-XXXXXXXXXX', { 'debug_mode':true });
(
G-XXXXXXXXXX
はご自身の測定IDに置き換えてください。作業後は必ず元に戻しましょう。)
2. DebugViewを開く
GA4の左側ナビゲーションメニューから「管理」(歯車アイコン)をクリックし、「プロパティ」列の下の方にある「データの表示」セクションの「DebugView」を選択します。
GA4管理画面の「DebugView」メニュー
3. テストアクセスとDebugViewでの確認
デバッグモードを有効にしたブラウザで、再度お問い合わせフォームを送信し、サンクスページにアクセスします。
DebugViewの画面には、イベントが時系列で(通常は秒単位で)表示されます。画面中央の縦のタイムラインに注目してください。
DebugViewの画面構成(タイムライン、イベント一覧など)
チェックポイント:
- まず、サンクスページにアクセスしたタイミングで、通常の
page_view
イベント(青いアイコン)が発生しているか確認します。 - その
page_view
イベントをクリックすると、右側にそのイベントに含まれるパラメータの一覧が表示されます。ここで、page_location
パラメータの値が、あなたのサンクスページのURLと一致しているか(または、設定した条件に合致するか)を正確に確認します。DebugViewでpage_viewイベントを選択し、page_locationパラメータを確認している様子
例えば、サンクスページのURLが
https://example.com//contact?thanks=
の場合、page_location
がhttps://example.com/contact?thanks=
のように正規化されて記録されているか、あるいは//
のまま記録されているかなどをここで確認できます。この実際の値に基づいて、イベント作成の条件を見直すことができます。 - 上記の条件が正しく満たされていれば、ステップ1で作成したカスタムイベント(例:
contactform_thanks_page
)も、同じタイミングか少し遅れて青いアイコンで表示されるはずです! これが確認できれば、イベント作成の設定は成功です。 - さらに、そのカスタムイベントをキーイベントとしてマークしていれば、イベント名の横に緑色の旗のアイコン(キーイベントを示すアイコン)が付いているはずです。
DebugViewでカスタムイベントが青いアイコンで表示され、緑の旗アイコンが付いている様子
もしDebugViewでカスタムイベントが表示されない場合は、ステップ1の「一致する条件」の設定に誤りがある可能性が高いです。特にpage_location
の演算子や値が、実際にDebugViewで確認したpage_location
の内容と合致しているか、じっくり見比べてみてください。
DebugViewは設定の成否を判断する上で非常に強力なツールなので、ぜひ積極的に活用しましょう!
標準レポートでの確認(データ蓄積後)
リアルタイムレポートやDebugViewでイベントの発生を確認できたら、基本的には設定は成功しています。しかし、最終的には通常のレポート画面でデータがどのように蓄積されていくかを確認することも大切です。
標準レポートにデータが反映されるまでには、通常24時間~48時間程度かかります。すぐに表示されなくても焦らず、しばらく待ってから確認しましょう。
1. イベントレポート
- 場所: GA4の左側ナビゲーションメニュー > 「レポート」 > 「エンゲージメント」 > 「イベント」
- 表示され方:
「イベント名」の一覧に、あなたが作成したカスタムイベント名(例:
contactform_thanks_page
)が表示されます。その行には、イベント数(発生回数)、総ユーザー数(そのイベントを発生させたユニークユーザー数)などが表示されます。イベントレポートでカスタムイベント名とイベント数が表示されている様子
2. キーイベントレポート (コンバージョンレポート)
- 場所: GA4の左側ナビゲーションメニュー > 「レポート」 > 「エンゲージメント」 > 「キーイベント」(以前の「コンバージョン」)
- 表示され方:
「イベント名」の一覧に、キーイベントとしてマークしたイベント名(例:
contactform_thanks_page
)が表示されます。その行には、キーイベント数(コンバージョンとしてカウントされた回数)、総ユーザー数などが表示されます。キーイベントレポートでカスタムイベント名とキーイベント数が表示されている様子
3. 他の標準レポートでの活用
設定したキーイベント(コンバージョン)は、他の多くのレポートでも重要な指標として活用できます。
- 「集客」レポート(トラフィック獲得、ユーザー獲得):
これらのレポートの表には、「キーイベント」という列(または「コンバージョン」と表示されている場合も)があります。デフォルトでは全てのキーイベントの合計数が表示されますが、列ヘッダーのプルダウンメニューから特定のキーイベント(例:
contactform_thanks_page
)を選択することで、そのキーイベントに絞った数値を表示できます。これにより、どのチャネル(例:Organic Search, Paid Search, Referralなど)や参照元/メディアからお問い合わせが多く発生しているかを分析できます。トラフィック獲得レポートでキーイベント列が表示され、特定のキーイベントで絞り込んでいる様子
- 「エンゲージメント」レポート(ページとスクリーン):
同様に、ランディングページごとのキーイベント数を見ることで、どのページがコンバージョン獲得に貢献しているかを把握できます。
これらのレポートを定期的に確認し、データが期待通りに蓄積されているかを見ていきましょう。
応用編:コンバージョン計測をさらに活用するために
基本的なお問い合わせ完了のコンバージョン計測ができるようになったら、さらに一歩進んで、GA4の機能を活用してみましょう。ここではいくつかの応用的なヒントをご紹介します。
コンバージョンに「価値」を設定してみよう
もし、あなたのお問い合わせがビジネス上、ある程度の金銭的価値を持つ場合(例えば、1件のお問い合わせが平均していくらの売上に繋がるか、など)、コンバージョンに「価値(Value)」と「通貨(Currency)」を設定することができます。
GA4のイベント作成時や、GTM経由でイベントを送信する際に、value
パラメータとcurrency
パラメータを付与することで設定可能です。
// GTMでイベント送信する場合の例(データレイヤー変数などを使用)
dataLayer.push({
'event': 'generate_lead',
'value': 1000, // 例: 1000円の価値
'currency': 'JPY'
});
価値を設定すると、レポートでコンバージョンの合計価値や平均価値などを把握できるようになり、費用対効果の分析がより詳細に行えるようになります。ただし、正確な価値を算出するのが難しい場合は、無理に設定する必要はありません。
複数のコンバージョンを設定する場合
ウェブサイトによっては、追跡したいコンバージョンが「お問い合わせ完了」以外にも複数あるかもしれません。例えば、「資料請求完了」「イベント申込完了」「特定ファイルのダウンロード」などです。
GA4では、これらも同様の手順でそれぞれ別のカスタムイベントとして作成し、必要に応じてキーイベントとしてマークすることで、複数のコンバージョンを同時に計測できます。イベント名はそれぞれ区別できるように(例:document_download_thanks
, event_signup_complete
など)設定しましょう。
コンバージョンデータをサイト改善に繋げるヒント
コンバージョンデータをただ眺めているだけではもったいない!ぜひ、そのデータからサイト改善のヒントを見つけ出しましょう。
- どのチャネルや参照元からのコンバージョンが多いか?
「集客」レポートで確認し、効果の高いチャネルに注力したり、逆に効果の低いチャネルの改善策を検討します。
- どのランディングページがコンバージョンに貢献しているか?
「エンゲージメント」>「ランディングページ」レポートで、キーイベント数(コンバージョン数)を確認します。コンバージョン率の高いページの良い点を他のページにも活かしたり、コンバージョン率の低いページの原因を分析します。
- ユーザーはどの経路でコンバージョンに至っているか?
「探索」レポートで「経路データ探索」を使うと、ユーザーがコンバージョンに至るまでのページ遷移のパターンなどを視覚的に把握できます。離脱ポイントや改善すべきナビゲーションが見つかるかもしれません。
GA4の経路データ探索レポートのイメージ
- デバイスごとのコンバージョン率に差はあるか?
スマートフォンとPCでコンバージョン率に大きな差がある場合、特定のデバイスでの使い勝手に問題がある可能性があります。
これらの分析を定期的に行い、仮説を立て、改善施策を実行し、その結果をまたGA4で検証する…というサイクルを回していくことが、ウェブサイトを成長させる鍵となります。
Google Tag Manager (GTM) を使うとさらに高度な設定が
この記事ではGA4の管理画面だけで完結する設定方法を紹介しましたが、Google Tag Manager (GTM) を使うと、より複雑な条件でのイベント発火(例:特定のボタンクリック、フォームの特定の項目の入力完了など)や、イベントパラメータの柔軟な設定が可能です。GA4の扱いに慣れてきたら、GTMの活用も検討してみると良いでしょう。
トラブルシューティング:よくある質問と解決策
設定や確認の過程で、「あれ?うまくいかないぞ…」とつまずくこともあるかもしれません。ここでは、よくある質問とその解決策をまとめました。
Q1. カスタムイベント名が表示されない!なぜ?
A1. いくつかの原因が考えられます。順番に確認してみましょう。
- 反映時間:
最もよくあるのが、単純にGA4のシステムに設定やデータが反映されるまでに時間がかかっているケースです。特に標準レポートでは最大48時間程度かかることがあります。リアルタイムレポートやDebugViewでまずは確認し、それでも表示されない場合は他の原因を探りましょう。
- イベントが実際に発生していない:
設定した「一致する条件」が、実際のユーザー行動と合致していない可能性があります。DebugViewを使って、サンクスページアクセス時に
page_view
イベントが発生しているか、その際のpage_location
の値が設定した条件と一致しているかを詳細に確認してください。 - イベント作成の設定ミス:
カスタムイベント名や「一致する条件」(パラメータ、演算子、値)に誤字脱字があったり、意図しない設定になっているかもしれません。GA4の「管理」>「イベント」>「イベントを作成」で、設定内容を再度じっくり確認してください。
- GA4の計測タグの問題:
そもそもGA4の基本的な計測タグがサイトで正しく動作していない場合、どんなイベントも計測されません。リアルタイムレポートで
page_view
などの基本的なイベントが記録されているか確認しましょう。 - ブラウザのキャッシュや拡張機能:
古いキャッシュが影響していたり、広告ブロッカーなどのブラウザ拡張機能がGA4の動作を妨げている可能性もあります。シークレットモードで試したり、拡張機能を一時的に無効にして確認してみてください。
- データフィルタ:
GA4のデータフィルタで、テストしているご自身のアクセスが除外されているかもしれません。「管理」>「データ設定」>「データフィルタ」を確認してください。
まずは焦らず、DebugViewでの詳細な確認を強くおすすめします。ほとんどの場合、ここで原因の手がかりが見つかります。
Q2. キーイベントとしてマークしたのにカウントされない…
A2. イベント自体は発生しているのに、キーイベントとしてカウントされない場合、以下の点を確認してください。
- マークの確認:
「管理」>「キーイベント」で、該当のイベント名がリストにあり、「キーイベントとしてマークを付ける」のトグルが正しくオンになっているか再確認してください。また、イベント名が正確に一致しているかも重要です。
- イベントの発生頻度:
キーイベントとしてマークした後、実際にそのイベントが発生しない限り、キーイベント数は0のままです。テストアクセスを行ってみましょう。
- 反映時間:
こちらも、キーイベントとしての集計がレポートに反映されるまでには時間がかかることがあります。
- イベント作成の条件:
そもそも元のカスタムイベントが意図通りに発生していないと、キーイベントとしてもカウントされません。Q1のトラブルシューティングも参考に、イベント発生の根本原因を探ってください。
Q3. DebugViewでイベントが見つからない場合は?
A3. DebugViewで期待するイベント(page_view
や作成したカスタムイベント)が表示されない場合、以下の点をチェックしてください。
- デバッグモードの有効化:
GTMのプレビューモード、Chrome拡張機能、またはコード変更によって、正しくデバッグモードが有効になっているか確認してください。拡張機能の場合は、対象サイトでONになっているか、再読み込みをしたかなどを確認します。
- GA4測定IDの確認:
複数のGA4プロパティを管理している場合、DebugViewを見ているプロパティと、実際にウェブサイトに設定されている測定IDが一致しているか確認してください。
- ブラウザの問題:
別のブラウザで試したり、シークレットモードで試すことで、ブラウザ固有の問題(キャッシュ、拡張機能など)かどうかを切り分けられます。
- GA4タグの設置状況:
基本的なGA4タグが正しくページに設置されているか、HTMLソースやGTMの設定を再確認してください。タグが発火していなければ、DebugViewにも何も表示されません。
- ネットワークの問題:
まれに、ネットワーク環境やセキュリティソフトがGoogleへのデータ送信をブロックしている場合があります。
Q4. URLの指定方法が分からない(特に特殊な形式の場合)
A4. サンクスページのURLが複雑だったり、//
のような予期せぬ文字列が含まれていたりすると、条件設定に迷いますよね。
- 基本は「DebugViewで確認した
page_location
の値」に合わせる:これが最も確実な方法です。実際にサンクスページにアクセスし、DebugViewに表示された
page_location
の値をコピー&ペーストして条件設定に使うのが間違いありません。 - 演算子
次を含む
の活用:URL全体が完全に一致しなくても、特徴的な部分文字列(例:
?thanks=
,/complete/
など)が含まれていればOK、という場合には次を含む
が非常に役立ちます。これにより、ドメイン名の違い(例:ステージング環境と本番環境)や、URLの細かな揺れに対応しやすくなります。 //
(二重スラッシュ)の扱い:https://example.com//contact
のような場合、多くのウェブサーバーやブラウザはこれをhttps://example.com/contact
として正規化して処理します。GA4のpage_location
も正規化されたURLで記録されることが多いです。しかし、これもDebugViewで実際の値を確認するのが一番です。もし//
のまま記録されている場合は、条件もそれに合わせるか、前述の通り次を含む
で他の部分で判定するなどの工夫をしましょう。- 正規表現(上級者向け):
どうしても通常の演算子では対応できない複雑なURLパターンの場合は、
正規表現に一致
を使うことで柔軟な条件指定が可能になります。ただし、正規表現の知識が必要です。
ご質問いただいたhttps://~//contact?thanks=
のケースでは、DebugViewでpage_location
を確認し、
もしhttps://example.com/contact?thanks=
と記録されていれば、演算子次を含む
で値/contact?thanks=
または?thanks=
で設定するのが良いでしょう。
焦らず、一つ一つ確認していけば、必ず解決策は見つかります!
まとめ:コンバージョン計測を始めて、ウェブサイトを力強く成長させよう!
ここまで本当にお疲れ様でした!GA4でのお問い合わせ完了のコンバージョン計測設定、いかがでしたでしょうか?最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、一度設定してしまえば、あなたのウェブサイトの「成果」が明確な数値として見えてくるようになります。
この記事で解説した手順を参考に、ぜひご自身のサイトでもコンバージョン計測を始めてみてください。そして、計測したデータを元に分析と改善を繰り返すことで、ウェブサイトは着実に成長していくはずです。
最後に、重要なポイントをおさらいしましょう:
- コンバージョンポイント(サンクスページURL)を正確に把握する。
- GA4で「イベントを作成」し、サンクスページへのアクセスをカスタムイベントとして定義する。(
event_name
がpage_view
、かつpage_location
がサンクスページの条件に一致) - 作成したカスタムイベントを「キーイベント」としてマークする。
- リアルタイムレポートとDebugViewで、設定が正しく動作しているか必ず確認する。
- データが蓄積されたら、各種レポートでコンバージョン状況を分析し、サイト改善に活かす。
GA4は非常に高機能なツールであり、コンバージョン計測はその第一歩に過ぎません。この記事が、あなたのウェブサイト運営の一助となれば幸いです。
これからも学び続け、データと向き合いながら、ウェブサイトをどんどんパワーアップさせていってくださいね。応援しています!
※参考にされる場合は自己責任でお願いします。