Windowsには複数のエディションがありますが、特に一般ユーザーが目にするのは「Windows Home」と「Windows Pro」の2つです。
どちらを選ぶべきか迷っている方のために、料金や機能の違いをわかりやすく解説します。
本記事では、初心者でも理解しやすいように、それぞれのエディションの特徴を詳しく紹介し、どちらが適しているのかを判断できるようにします。
Windows Proとは
Windows Proは、主にビジネス向けに作られたエディションです。
企業での利用を前提に、セキュリティ機能やリモートデスクトップ、グループポリシー管理など、業務に役立つ機能が充実しています。
特に、IT管理者が複数のPCを統一的に管理するための機能が多く含まれており、企業や開発者向けに最適化されています。
Windows Homeとは
Windows Homeは、一般家庭向けのエディションです。
基本的な機能は揃っており、インターネットや動画視聴、ゲーム、文書作成などの用途には十分な性能を備えています。
Homeエディションは、使いやすさを重視しており、セキュリティ設定や高度な管理機能は最小限になっています。
料金の違い
- Windows Home: 約19,000円
- Windows Pro: 約28,000円
ProはHomeよりも価格が高く、その分追加機能があります。ただし、通常の家庭用途ではHomeで十分なため、Proの価格差を考慮すると、慎重に選択する必要があります。
メリット・デメリット
Windows Proのメリット
- リモートデスクトップ機能が使える:
外出先や別のPCから、ネットワーク経由で自分のPCにアクセスできる。特にリモートワークに最適。 - BitLocker(※)によるデータ暗号化が可能:
ドライブ全体を暗号化できるため、紛失時や盗難時のデータ漏洩を防げる。 - 企業向けの管理機能が充実:
グループポリシーによる細かな設定が可能で、大企業やIT部門が一括管理しやすい。 - Hyper-Vによる仮想環境構築が可能:
複数のOSを仮想マシンとして実行できるため、開発者やIT技術者に便利。 - Windows Update for Businessが利用可能:
アップデートの適用時期を管理でき、企業の業務に影響を与えにくい。
Windows Proのデメリット
- Homeに比べて価格が高い
- 一般ユーザーには不要な機能が多い
Windows Homeのメリット
- Proよりも安価:
必要最低限の機能に絞られているため、コストを抑えられる。 - 基本的な機能は全て揃っている:
インターネット、動画視聴、Office、ゲームなど、一般的な用途には十分対応。 - 初心者でも扱いやすい:
設定項目がシンプルで、余計な管理作業が不要。 - 軽量で動作が安定している:
企業向けの複雑な機能がない分、PCの負担が少ない。
Windows Homeのデメリット
- リモートデスクトップ機能がない
- BitLocker(※)による暗号化ができない
- Windows Updateの制御が難しい
結局どちらを使えばよいのか?
- 一般ユーザー → Windows Homeで十分
- エンジニア・開発者 → Windows Proの方が便利
- 会社で使う → Windows Proを推奨
注意点
一度Windows Homeを購入すると、後からProにアップグレードは可能ですが、追加料金が発生します。最初からProが必要かどうかをよく考えて選びましょう。
また、Windows Proの機能の多くは、法人向けに最適化されているため、個人用途で無理にProを選ぶ必要はありません。
※BitLockerとは?
BitLocker(ビットロッカー) は、Microsoftが提供するドライブ暗号化機能で、Windows ProやWindows Enterpriseエディションに搭載されています。
BitLockerを有効にすると、PCのハードディスクやSSD全体を暗号化でき、不正アクセスやデータ漏洩を防ぐことができます。
BitLockerの主な機能
- フルディスク暗号化
BitLockerは、ハードディスク全体を暗号化するため、PCが盗まれたり、紛失した場合でも、第三者がデータを読み取ることを防ぎます。通常のパスワード保護とは異なり、ストレージ自体を保護するため、OSが起動できない状態でもデータの抜き出しを防止できます。 - TPM(Trusted Platform Module)との連携
BitLockerは、TPM(トラステッド・プラットフォーム・モジュール) というセキュリティチップと連携して機能します。TPMが搭載されているPCでは、暗号化キーがTPMに保存されるため、PCが改ざんされても解除できません。 - 回復キー(Recovery Key)による解除
BitLockerを有効にしたPCがトラブルで起動できなくなった場合、回復キー(リカバリーキー) を使って解除できます。回復キーはMicrosoftアカウントに保存したり、USBドライブに保存することが可能です。 - マルチディスク対応
BitLockerは、Cドライブ(OSがインストールされたディスク)だけでなく、外付けHDDやUSBメモリなどのストレージデバイスにも適用できます。 - 自動暗号化 & 透過的な利用
BitLockerは、ユーザーが特別な操作をしなくても、PCのバックグラウンドで暗号化・復号化を行うため、PCの操作感に影響を与えません。
BitLockerのメリット
- データ保護が強化される
- PC紛失・盗難時の情報漏洩リスクを軽減
- TPMチップとの連携で高度なセキュリティを実現
- USBメモリや外付けHDDも暗号化可能
- Windowsに標準搭載されているため、追加コストなし
BitLockerのデメリット
- Windows Homeでは利用できない(Windows Pro, Enterpriseが必要)
- 暗号化されたドライブのパフォーマンスがわずかに低下する
- 回復キーを紛失するとデータを復元できなくなる
- TPM非搭載のPCでは、USBキーやパスワード入力が必要になる
BitLockerはどんな人におすすめ?
BitLockerを使うべき人
- 仕事で機密情報を扱う人(エンジニア・ビジネスマン)
- ノートPCを持ち運ぶことが多い人
- セキュリティ意識が高く、データ保護を徹底したい人
BitLockerが不要な人
- 自宅でのみPCを使う人
- データ暗号化にこだわらない人
- Windows Homeを使っている人
BitLockerの設定方法
BitLockerを有効にする手順(Windows Proの場合)
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「デバイスの暗号化」 にアクセス
- 「BitLocker を有効にする」を選択
- 回復キーの保存場所を選択(Microsoftアカウント、USBドライブ、印刷など)
- 暗号化の方法を選択(全体暗号化 or 使用済み領域のみ)
- PCを再起動し、暗号化プロセスを完了
BitLockerのまとめ
BitLockerは、Windows Pro以上で利用できる強力なドライブ暗号化機能です。
特にノートPCを仕事で使う場合、データ漏洩リスクを防ぐために非常に有効です。
ただし、Windows Homeでは利用できないため、暗号化が必要ならWindows Proを選ぶ必要があります。
まとめ
Windows HomeとProの違いを簡単にまとめると、Proは企業向けの機能が追加されたエディションで、Homeは一般ユーザー向けの基本機能が揃ったエディションです。
リモートデスクトップやBitLocker(※)など、Proならではのメリットもありますが、一般家庭ではほとんどの機能が不要です。
用途に応じて適切なエディションを選びましょう。
※参考にされる場合は自己責任でお願いします。