Webデザインの世界は日々進化していますが、デザイナーや開発者が直面する基本的な問題の一つに、フォントサイズの単位の選択があります。
この記事では、Photoshopをはじめとした伝統的なデザインツールと、Webデザインツール(Sketch, Figma, Adobe XDなど)の両方に焦点を当て、フォントサイズの単位としての「ピクセル(px)」と「リム(rem)」の特徴と最適な使用場面、あわせてポイント(pt)とその問題点について詳しく解説します。
フォントサイズ単位とは?
フォントサイズ単位は、文字の大きさを定義するための数値のことを指します。Webデザインにおいては、そのサイズがどれだけの大きさで表示されるかを定義する重要な要素です。
ピクセル(px)の特徴
- 精度:
ピクセルは固定のサイズ単位であり、デザイナーが意図した通りのサイズで表示されることが保証されます。 - 互換性:
すべてのブラウザで一貫してサポートされています。Photoshopなどのデザインツールでも一般的に使用される単位です。
リム(rem)の特徴
- 親要素との独立性:
1remはルート要素のフォントサイズを基準とします。 - レスポンシブデザインの適性:
ルート要素のフォントサイズを変更するだけで、全体のテキストサイズを一括調整可能。 - アクセシビリティ:
ユーザーがブラウザの設定でフォントサイズを変更しても、適切にスケーリングされます。
ポイント(pt)とその問題点
Webデザインにおけるフォントサイズの単位として「pt」(ポイント)が存在します。しかし、Webデザインにおいてptを主要な単位として使用することは推奨されません。その理由は以下の通りです。
- 解像度との依存性:
ポイントは物理的な単位であり、スクリーンの解像度に依存するため、異なるデバイスや解像度での表示が一定ではありません。このため、Webデザインにおいて、期待される表示と異なる場合が多いです。 - ブラウザの互換性:
ptは、特にモバイルデバイスにおいてブラウザ間での表示の差異が大きくなる可能性があります。これにより、ユーザーエクスペリエンスの品質が低下する可能性が高まります。 - 印刷との混同:
ptは、伝統的に印刷デザインで使用される単位です。Webデザインと印刷デザインは異なるメディアであり、それぞれの要件や制約も異なります。Webデザインにおいて、印刷用の単位を使用することは混乱の元となります。
したがって、Webデザインにおいては、ピクセル(px)やリム(rem)のようなスクリーンディスプレイに適した単位の使用が推奨されます。
ツールごとの適切な単位の選択
- Photoshop:
主に静的なデザインを作成する際に使用されるため、ピクセルが最も一般的。 - Webデザインツール(Sketch, Figma, Adobe XDなど):
リアルタイムのプレビューやコンポーネントベースのデザインが可能であり、リムを中心にデザインを進めるのが効果的。
まとめ:ピクセルvsリム、どちらを選ぶべきか?
Webデザインのフォントサイズの単位を選択する際の最適な方法は、使用するツールや目的によって異なります。伝統的なデザインツールであるPhotoshopではピクセルが主流ですが、現代のWebデザインツールや実際のWeb開発では、レスポンシブデザインやアクセシビリティを考慮するとリムが推奨されます。
最終的には、プロジェクトの要件や目的、使用するツールや技術に応じて、適切なフォントサイズの単位を選択することが最も重要です。
※参考にされる場合は自己責任でお願いします。