【DX奮闘記】「会社でしか開けない」からの脱却。ファイルサーバーとGoogle Workspaceのハイブリッド運用で現場の機動力を最大化した話。
前回「【DX奮闘記】鉄道工事の現場で「15分待ちの巨大Excel」を自作システムにリプレイスした話。」のシステム開発に続き、次に取り組んだのが「ファイルサーバー(NAS)のクラウド化とハイブリッド運用」です。
「ファイルサーバーは社内にしかないから、現場からは見られない」……そんな、建設業界では“当たり前”とされてきた常識をアップデートした軌跡をお話しします。
なぜ「ファイルサーバーは社内だけ」では限界だったのか
これまでの弊社は、社内ネットワーク(LAN)に接続されたNAS(ネットワークHDD)にすべてのデータを保管していました。しかし、現場が動く鉄道工事の最前線では、これが大きなボトルネックになっていたのです。
- 「事務所に戻らないと図面が見られない」: 現場で急な確認が必要になっても、社内のサーバーにアクセスできないため、わざわざ事務所に戻るか、誰かに電話してメールで送ってもらう手間が発生。
- VPNの接続ストレス: 外部から繋ぐ方法もありましたが、速度が遅く、大容量の図面データを開くだけで一苦労。
- 属人化する「最新版」: 各自がデスクトップに保存して持ち歩くため、どれが最新の施工写真なのか分からなくなるリスク。
キーワードは「ファイルサーバーを社内に置く」ことによる物理的な制約。これを打破しつつ、セキュリティをどう担保するかが今回のミッションでした。
Google Workspace(Google Drive)+NASの「ハイブリッド戦略」
IT部長として僕が選んだ解は、すべてのデータをいきなりクラウドに移すことではなく、Google Driveと既存NASのいいとこ取りをしたハイブリッド運用です。
1. 現場で使う「動くデータ」はGoogle Driveへ
現場写真、最新図面、日報など、外で頻繁に参照・編集するデータはGoogle Workspaceへ移行しました。これにより、スマホやタブレットから指先ひとつで最新情報にアクセス可能に。鉄道工事の現場という、スピードや効率化が求められる環境にはこれが最適でした。
2. 膨大な「保管データ」は社内NASへ
過去10年分の竣工写真や大容量の動画資料など、クラウドに置くとコストがかさむ膨大なアーカイブは、引き続き堅牢な社内NASで管理。ただし、これらも必要に応じて特定のフォルダだけをクラウドと同期させる仕組みを構築しました。
「便利」と「安全」は両立できる
「社外からアクセスできる=情報漏洩が怖い」という声は必ず上がります。しかし、今のクラウド技術は、物理的なUSBメモリを持ち歩くよりも遥かに安全です。
- 二段階認証の徹底: IDとパスワードだけでなく、スマホ認証を必須に。
- 権限の細分化: 特定の人には「閲覧のみ」、社員や幹部には「編集権限」と、フォルダ単位で厳格にコントロール。
- ログの可視化: 「誰が・いつ・どのファイルにアクセスしたか」がすべて記録されるため、抑止力と透明性が向上しました。
運用は「バージョンアップ」し続けるもの
導入から数ヶ月。現場からは「移動時間が減って、その分早く帰れるようになった」という、残業削減の効果も報告されています。ITによる業務改善が、社員のQOL(生活の質)向上に直結した瞬間です。
今後は、このGoogle Drive上のデータをAI(Gemini)と連携させ、「過去10年の現場事例から、類似するトラブル対応策を数秒で見つけ出す」といった運用のバージョンアップを計画しています。
「ファイルサーバーは社内に置くもの」という固定観念を捨てた先に、「場所や時間に縛られない、社員一人ひとりの自由な働き方」がありました。2026年、弊社のインフラ刷新はまだまだ加速していきます!
あなたの会社のファイルサーバー、まだ「会社でしか」開けませんか?
もし改善の一歩を踏み出したいなら、まずは小さなフォルダ一つのクラウド化から始めてみるのがおすすめです。
引き続き『dad-union.com』では、現場目線のDXをリアルに発信していきます!
※参考にされる場合は自己責任でお願いします。
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